忍者ブログ
数名で作る創作サイトです。
[1] [2]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

この度は「新緑のかをり」をご覧頂いて誠に有難う御座います。

この作品は、作者・秋月の私生活と理想と現実、思う所。

全てが融合して出来ております。



話の進みとしましては、

1>2>3>4>5>6>7>8>エピソード0

の順に進んでおります。

当初、エピソード0が始まりでしたが外伝に改め、

日常をより一層描く為に、「理想」という形でエピソード0という形にしました。

理想から書いてしまうと、ネタに詰まります(笑)

これは大きな反省点となりました。

可愛い仕草の亜里守をもっと的確に描写出来ればと、後悔・反省もあります。

本当に、こんな作品をご覧下さって有難う御座いました。



                  2004.7.11 秋月









P.S.エピソード0は一体どういう話なの?いつの話なの?と疑問だらけの方も多いかと。
    あれは作者の理想のお話。本編とは無関係ですね(おいおい
    本当はエピソード0から話を繋げるつもりだったのですが・・・。
    同じ大学に入って、相思相愛となれたらな、というお話です。
PR
憂鬱だった雨の季節は終わった。

蒸し暑いのはこの国の特徴。

でも、緑と木漏れ日は何より御馳走。

青空を見上げて、そして呟いた。

「なにやってんだろ。」

遠くから声が聞こえる。

誰か探しているのか。

「あ、ここにしよーっと。」

膝まである紺色のスカートは今時珍しい。

真っ黒な長めの髪の毛が揺れている。

息を切らして座り込む。

ああ、誰かを探しに来た訳じゃ無いらしい。

お弁当を膝の上に広げて、モグモグ食べだした。

ずっと我慢していたのか、空腹なのだろう。

「一緒に食べよ?」

突然、短い黒髪がわさっと揺れ、黒くて大きな二つの眼。

それがこちらへと向けられる。

「いや、いい。」

冷たく投げ捨てた言葉に、肩を震わせていた。

彼女はきっと、俺が好きなんだろうな。

素直になれない自分を憎らしく思い、

彼女を不憫に思い、

くしゃ、っと亜里守の髪を撫でた。


「そりゃ勿論、好きさ。」


目が覚めた。

携帯で時間を確認する。

朝四時。まだ起きるには早過ぎる。

腕枕で熟睡してる綾乃の寝顔を見る。

そっと髪を撫でてやる。

ん、と寝返りを打つ。

もうこの家には綾乃と二人だけだ。

一気に寂しくなった日の事は忘れない。

そして自分で日常を選んだ事も。

後悔はしていない。

ただ、ただ、亜里守の邪魔をしたく無かった。

夏前には帰るよ、と残して出て行った。

綾乃も酷く心配していた。

世間の右も左も分からない亜里守を一人暮らしさせる。

それがどれ程心配で無謀か。

毎日メールはして来たし、友達も出来た様だ。

勉強は大変、と追記してあったりもした。

桜も散って、段々と昼間は暑くなって来た。

ざわっと風が吹いた。新緑がそよいだ。

見上げた青空。

眩しい青空。

ああ、またこの季節がやって来たんだな。

また日常に戻った。

今までに喧嘩何てした事ある?

そう言わんばかりに、仕事の支度をしている。

綾乃はいつも早起きだ。

亜里守は学校か。

朝八時。日常。

一度起きるが、寒くて毛布に包まる。

遠くで「行って来ます」と聞こえた。



気付くと昼になっていた。

怠惰だった。

バイトにも行きたくない。

我侭を思いつくだけ口に出して吐き出した。

顔を洗って、バイトの支度をした。

外に出て後悔した。

凍てつく寒さを実感した。

やはりバイトなんて行きたくない。

思うだけ思って、自転車を走らせた。



バイトから帰って来ると、大きな箱が机の上に置いてあった。

覗くとケーキだった。

ああ、そうか。亜里守の誕生日か。

忘れていた。

時刻は夜中の一時。

ふと、人の気配がした。

亜里守が起きて来たらしい。

「おかえり。」

ただいま、続けてごめん。

何が?という顔をしてる亜里守に、誕生日を忘れていた事を告げる。

「いいよいいよ。」

そう言って笑った。

ちょっと考え事をしてる顔だ。

「んー、欲しい本あるんだ。」

「分かった、明日買ってくるよ。」

やったね、そう言って嬉しそうに飛び跳ねてる。

ホっと胸を撫で下ろし、暖かな気持ちになった。

こうして年が明けても一緒に居られた。

しかし、別れまでの時間はそう無かった。

亜里守は進学して、都会の大学へ行く。

綾乃との雲行きが怪しくなった。

お互い我慢していた所が多すぎた。

ストレスが溜まっていたのだろう。

珍しく喧嘩をした。

滅多にしないものだから激しい物となった。

罵り合いに嫌気が差して家を飛び出す。

夜風に当たる。

コンビニで雑誌を立ち読む。

一時間程時間を潰して、外に出ると星が綺麗に見えた。

雲一つ無い、感動する様な夜空だ。

なにか込み上げて来る物があったんだろう。

涙がこぼれた。

自動販売機で、コーヒーを買う。

それを一気に飲み干して、携帯を取り出す。

グループ「家族」「綾乃」

電話を掛けるが出ない。相当怒ってるか、愛想を尽かしたのだろうな。

仕方なくメールを打って置く事にした。

打ち終わって、タクシーを拾う。

夜な夜な、実家へと向かった。

帰る場所は、綾乃の所か実家か。

実家と言っても、両親は滅多に居ない。

多忙で出てるのだ。

半年振りに帰った理由は、恋人との喧嘩。

情けない物だ、と自分に叱咤してみる。

真っ暗な部屋で外を眺める。

本当に綺麗な夜空だ。

そっと目を瞑る。

浮かんだのは、綾乃では無く亜里守の笑顔。

ああ、会いたいな。

いつの間にか、眠っていた。


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新記事
(12/31)
(12/30)
(12/30)
(12/30)
(12/30)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
 
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事