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気持ちの良い朝。

純白のカーテンから優しく差し込む光で目を覚ます。

時間は・・・・・・朝九時か。

ふと顔を上げるとパソコンの前に人影。

目をこすり、眼鏡を掛けて確認する。

パソコンにイヤホンを付け、音楽を聴きながらネットサーフィン。

そうか、今日は土曜日か。

学生は休みだ。

ふと部屋の戸が開く。

「おはよう、起きてた?」

主婦の香りがしない、亜里守の母親。

俺の恋人。

綾乃は仕事の身支度をしながら、横目で聞いて来た。

「今起きたよ。」

私もう出るから、と支度を続けている。

ふと亜里守を見る。

部屋着のまま、畳にペタンと座り込んでまだ眠そうにディスプレイを見つめている。

亜里守は幼稚だ。

アニメやマンガ、ゲームが好きな高校生。

俗に言うオタクだろうか。

でも話が合うから問題無い。

寧ろ、有り難い物だった。

男に興味は無いし、彼氏もいない。

彼女の魅力を誰も知らないし、誰も開拓しない。

それで良かった。

「あれ、いつの間に起きた?」

亜里守は不思議そうに、イヤホンを取りながら聞いてきた。

頭を撫でてやりたい。今すぐ抱きしめてやりたい。

自分の欲求を出してはいけない。

傷つけたくないから。

今を失いたくないから。
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